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第二巻 49
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寒行

  此寒行の種類数多くあり皆願人坊主の内にて
  身に鼠色の古衣を着し白布にて天窓を包
  荒縄にて腹部を巻片手にレイを鳴し又片手に
  手桶に水を入たるを提げ折々

寒行や 夏は裸の偽法師


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「天窓」は頭、「レイ」は鈴。 「折々」で止まっているのは、ミス。「折々水をかぶる」などと続くのであろう。

【寒行 かんぎょう】
小寒から節分までの寒中30日間に、僧俗ともに行う修行。寒念仏。寒参り。寒垢離(冷水浴)など。仏教だけでなく、神社でもやる(大辞林など)。

「寒中の代垢離 だいごり」というもの。「戸毎の手桶の水を、家人に代わってかぶって歩く行」があった(五来重「庶民信仰における滅罪の論理」1976)。
この一本歯に乗る願人坊主はその寒中の難行を飯の種にしている乞喰で、「偽法師」と晴風さんにからかわれている。

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