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第三巻 26
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櫻草賣

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巻三-24 稗蒔賣 で触れたが、『温故年中行事』に原画がある、(ここ)。

菊池貴一郎『江戸府内 絵本風俗往来』の上編三に「桜草売」がある。
ヱー桜草や桜草と声たかく呼ぶ植木屋の荷ひ売は戸田河原辺に生茂りて花咲く桜草にして至て野生の種なり・・・土焼の小鉢に植付てふさふさと薄くれなゐの花なりしも姿やさしく士女のめづるより買こと多し又売声も鄙めきたる所都の春に趣を添へける
今は、荒川河畔が桜草の自生地として保護されているが「戸田河原辺」の続き地なのであろう。

明治25年4月29日の国民新聞には、次のような短い記事がある。
大久保、染井、駒込及び入谷辺に於ては、昨今さくら草の好季節に向ひたれば、来月一日の日曜日には杖を曳く者多からん。
これで分かるように、この季節、江戸の昔から変わらず庶民たちが鉢植にした桜草を見て歩き、買い求めたりしたものなのであろう。

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