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第四巻 03
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あぼ陀羅經

   願人坊主と称する者時務を諷刺たる
   作文などを木魚三味線に合せ節面白く
   唱るこれをあぼたら經といふ

うら盆や
阿菩陀羅
經も
 如是我門

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「如是我」が正しい。“我は(釈尊の説教を)このように聞いた”という仏典冒頭の決まり文句。
晴風は濁点を打って「あぼ陀羅經」また「阿菩陀羅」と明記している。この木魚と三味線を持つ夫婦者の表情には、晴風がこの者たちへ注ぐ愛情が表れている。

【あほだら経】 江戸・東京や上方の都市で、願人坊主が門付して歩いた話芸のひとつ。世間一般の話題や時事風刺を交えながら俗謡の節にのせて語る。ヒラキ(大道芸の仮設舞台)から後に寄席芸となり、漫才に取り込まれるなどしながら昭和の時代まで主に見られた。また、ちょぼくれ・ちょんがれときわめて近い存在の芸能である(ウィキペディア「あほだら経」より)(ウィキペディアの「ヒラキ」は一見の価値があります

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