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第四巻 08
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芝神明宮祭禮

毎年九月十一日より廿一日
迄執行す其際目片
せふが又ちきびつといふ物
を賣る者多く出る参詣
者此二品を求ること盛り
なりとそ

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「毎月」と誤ったので、左にレ点を書いて右に「年」と正した。晴風の正し方が良く分かる。

新ショウガを売るので、ショウガ祭りと言った。めっかち、片目から買うと良い、など伝えがあるという。
「ちきびつ、ちぎばこ」は、千木箱、千木筥、千木櫃などの漢字があてられるようだ。千木箱とは、檜材で作られた小判型の曲物容器を3段に重ね、藁で縛ったもので、白・紫・綠の泥絵の具で藤の花の絵が描かれており、中に2~3粒かの煎豆が入っていて、振るとカラカラと音がする。近世期には飴を詰めて売られており、明治以降に煎豆・砂糖豆などに変わったようで、菓子箱のようなものであったらしい(サイト「芝大神宮のだらだら祭り」より、惜しいことにリンク切れ)。

『うなゐのとも』第3篇(明治39年)に「ちきびつ」が取りあげてある(これ)。

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