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第四巻 20
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雷除とふもろこし賣

浅草観世音四万六千日
毎年七月九日十日両日参詣
群集す当日雷除なりとて
赤色のとふもろこしを
賣る

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浅草寺公式サイト「四万六千日」はつぎのように述べている。
江戸の昔、落雷のあった農家で「赤とうもろこし」を吊るしていた農家だけが無事であったことから、文化年間(1804~18)以後に「雷除(かみなりよけ)」として赤とうもろこしが売られるようになりました。ところが明治初年に不作が原因で赤とうもろこしの出店ができなかったことから、人々の要望により「四万六千日」のご縁日に「雷除」のお札が浅草寺から授与されるようになり、今日に至っています。
山東京山『蜘蛛の糸巻』(弘化三年1846)が浅草の「四万六千日」と赤トウモロコシを取りあげていた。京山は「七十八翁 京山老人」と自署している。京伝の実弟。
一ト年、中の郷前菜場にて赤タウモロコシを多く作り出せしが、買ふ人少かりし故、浅草の四万六千日に持出て、雷除の守りといふて賣しかば夥しく賣たり。爾後一ツの名物となれりとぞ。遠き事にもあらずといへり。 『蜘蛛の糸巻』に添付されていた旗本・天野三郎兵衛・七十五老翁の説という 「燕石十種」による
なお「燕石十種」は色々の作者を集めた大きな随筆集(国会図書館がデジタル公開)。

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