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第四巻 33
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はけなかの辻噺し

    此もの常に浅草蔵前辺に出て
    往来の人の足を止め聞
    然顎の外れる知れぬといふ

五兵衛の露の
 昔も思われず
   今浅艸に
    名有る
    はけなが

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「辻噺し つじばなし」
「はけなが 刷毛長」 江戸後期の男性の髪形の一。刷毛先の長いもの。侠客などが好んだ。(大辞林)

「顎の外れる知れぬ」は「顎の外れる数知れぬ」の書き損じだろう。

「五兵衛の露の昔」というのは上方落語の祖という「露の五郎兵衛」にちなんだ表現。晴風『街の姿』の「はけながの辻ばなし」(p220)には、
五郎兵衛の昔も今も浅草で露の命をつなぐ刷長
と出ている。ウィキペディアによると露の五郎兵衛(寛永二十年1643~元禄十六年1703)は京都出身で元は日蓮宗の「談義僧」であったという。

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