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第四巻 37
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いやみ金長
いやみ金長とて天保の頃俳優の聲色を遣ひ生活せし者あり
此者常に黒羽二重の着物を裾長く着流し巾廣の帯を〆身
をそらして歩行するさまいかにもいやみなりしとぞ
◆-◆
晴風『街の姿』にも同じ「いやみ金長」が出ている。
弘嘉の頃、いやみ金長というハ声色遣いにて、常に黒羽(二)重の如き小袖を着し、幅広き帯を〆、肩に手拭いをかけ、霧の駒下駄を履き、そり身にて突袖して
歩行
(
あるく
)
さま、いやみなりしと。
「弘嘉」は、弘化・嘉永のことで、1844~53年。
◆-◆
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