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第五巻 25
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烏丸枇杷葉湯賣

枇杷葉湯 毎年夏季になれ
暑氣払ひと称し茶碗壱ぱい
砂糖を入て四文ツゝにて商ふもの也

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橋本養邦「江戸年中風俗之絵」の「枇杷葉湯売り

画中に「びわようとふ 本家、からす丸」と三足烏の紋が付いている。「びわの葉療法の歴史」というサイト(リンク切れ)には次のようにある。面白いのでちょっと長いが、引用する。
烏丸本家枇杷葉湯、どなたもご案内でございましょうが、京都二条通り烏丸大納言さま御難病のとき御医者衆いろいろ寄りまして手を尽くせどそのしるし更になし。拙者親方寿庵先生は勿体なくも日本で第一、熊の権現さまへ二十と一日断食祈願した。あら不思議や、枇杷の葉を巻物に入れて、三羽の烏くわえ来た。勿体なくも有難やと巻物開き、大納言さまへ差し上ぐれば、たちまち御平癒。そのご褒美として日の丸に三羽の烏の御紋付と三十と二荷を下され、その上に東海道、中仙道は申すに及ばず、九州九カ国、四国八十四カ所の浦々谷々売り広めよとの仰せ。年々四月上旬から八月下旬まで大道に荷を下し、御婦人方には産前産後、血の道、血の狂い一切によし、お子供には五疳や脾疳、驚下、驚風に申すには及ばず、一切の病たちまちに消え、今のはやり病によく、男衆には、疝気、疝癪…
「烏丸大納言」とは江戸初期の公卿・烏丸光広のこと。細川幽斎から古今伝授をうけた歌人。能書家としても知られる。

「江戸年中風俗之絵」には「びわやう湯」とある。念のために『大辞林』を引いたら「びはえふたう」。

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