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第五巻 26
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枝豆賣

夏の夜賤き風俗の女子
豆や枝豆/\と呼なから
町中を賣歩行を納
涼散歩の人此枝豆を
求めて食す殊に両國
芝高輪等の涼場所に
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『守貞漫稿』巻六に「湯出まめ賣」がある。
三都ともに夏月の夜之を賣る。特に困民の業とす。男子あり、或は婦あり。京阪は「湯出サヤ/\」と云。之の故に鞘豆と云。江戸は此菽を枝豆と云。故に之を賣る詞も「枝豆や/\」と云。けだし婦は江戸に多し。・・・又江戸は菽の枝を去らず売る。故に枝豆と云。京阪は枝を除き皮を去ず。故にさやまめと云。
これらは、いずれも若い大豆の食べ方のことだが、わたしは「えだ豆」と言うが「さや豆」という語は知らなかった。東京育ちだからだろう。関西ではいまでも「さや豆」と言うのだろうか。
ネット検索では、現在は「さや豆」は、サヤエンドウないしサヤインゲンのことを指しているようだ。鞘ごと食べる豆の品種で、これはわたしも知っている。

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