画像をクリックすると、拡大する。

第五巻 43
 【前へ : 目次 : 次へ

暦賣

毎年十一月冬至の頃より暦賣とて市中至る所に
賣歩ものなり

来年の大小柱暦とて暦潤あつて十三ヶ月の御調法云々

◆-◆

旧暦では月の大小が毎年一定でなく、時に閏月が入るので、暦が必要だった。「月の大小がわかる柱暦、来年は閏月があって十三ヶ月」などと言っている。晴風さんは「潤」を書いている。

律令時代には陰陽寮がつくっていた暦を元に、頒布していた。筆写で広まっていた。木版刷りが始まったのが鎌倉時代からと言われる。
鎌倉・室町時代から地方暦がはじまる。有名なものだけ上げておくと、京暦、伊勢暦、三島暦、会津暦、南部暦、薩摩暦など、多数ある。
江戸時代に入り、もっとも良く広まったのは伊勢暦だが、伊勢神宮の御師が「大麻」(神宮大麻 じんぐうたいま 伊勢神宮の出すお札のこと)とともに頒布するようになった。伊勢詣のおみやげとしても人気があった。

◆-◆
 【前へ : 目次 : 次へ
inserted by FC2 system