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第六巻 01
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薄荷圓

夏季薄荷圓の見せ所々に
出ると雖も就中外神田旅篭町三丁め
に年頃住開光堂花又幸吉 香具
商才最も古顔にて夏季になれは
毎年米澤産の薄荷圓を販賣す
又其他種々なる賣薬を弘賣す
冬季 鼠取熊油等々廣く
賣弘むるハ此道の載斗とす

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「見せ」は「店」であるが、「見世」としても江戸時代の文献にはよく出てくる。

人魚らしいものや、得体の知れないものがガラス瓶に入って並んでいる。

開光堂・花又幸吉は晴風とおなじ旅籠町に住み、「香具・商才最も古顔にて」というのであるから、屋号「開光堂」で大道販売をしていたのであろう。夏には薄荷圓など、冬には鼠取・熊油など。巻四-17は熊の油熊の膏薬賣だった。

「薄荷圓」はハッカを原料とした一種の薬として発売されていた。新潟県立歴史博物館のサイトから。
江戸時代後期、魚沼郡塩沢ではハッカ(薄荷)が栽培され、蒸留してできた結晶を、せき、頭痛などに効く薬「薄荷圓」として販売しました。
また、山形県立博物館に「御免薄荷圓効録」があり、資料説明に「薄荷の効果について書かれた書籍」とある。

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