画像をクリックすると、拡大する。

第六巻 26
 【前へ : 目次 : 次へ

器械の手遊び賣

浅草公園六區の池のほとりに
一枚の莚を敷一人の老父紙製
の小鳥と鼠を賣るさま昔し
雷門にて飛たり刎たりの手遊び
を賣たる翁も此老父の如き有
様なりしやとそぞろに昔時の
事を追想せり

  此手遊び 紙製の小鳥
  鼠ともコム仕掛にて其
  進むさま活動する趣き
  ありて いと興味ある玩具なり

◆-◆

図の親爺さんは手に操縦するものを持っているようなので、「飛たり刎たり」とは原理が違うようだ。ゴム仕掛けとも言っている。ゴム管で空気を送るか。「一ツ 壱銭」。

「飛んだり跳ねたり」は江戸の代表的なカラクリ玩具。現在も仲見世通りで売っている(江戸玩具屋「助六」)。晴風『街の姿』(太平書屋1983)に「飛たり刎たり」があり、煙管をくわえた老翁が描かれている。
晴風『人形百種』にも扱われていて、「飛人形」。
「飛たり刎たり」の動画 ここ。動画ではペーパーボンドを使っているが、江戸時代には綿を使った。

◆-◆
 【前へ : 目次 : 次へ
inserted by FC2 system