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第六巻 27
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ボアソン玉賣
      明治廿四年の頃

米國のボアソン氏の新発明玉 わづか
一銭にて水晶の代用が出来る第一に
太陽の光線より火を得られ又月
より水を取ること自由です殊に三十
層倍のケンピ鏡に代る用をなす
殊に重宝此上もなき玉て御座り升
サア御めしなさい今日 特別弘めの
為わつか常の半定價唯の
一銭です

  透き通る
  虚と知りツゝ一銭で
  甲斐の水晶に
  代用するとわ

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「月より水を取る」はテキ屋のハッタリだろうが、ちょっと雅ですね。伊藤晴雨の「夜光の珠」を紹介します。
「虚と知りツゝ」は「嘘と知りつつ」。

甲斐国は昔から水晶が名産。山梨県立図書館のデジタルアーカイブズに「甲斐国水晶眼鏡」がある(ここ)。

テキ屋氏は「ボアソン」という名をどこから持ってきたのか。ポアッソン分布で知られる数学者ポアッソンはフランス人で1840年(天保十一年)没。

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