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第六巻 30
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煙艸小賣


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箱の文字は「たばこ」。
文化二年(1805)ごろという「熈代きだい勝覧しょうらん」の「煙草売

葉煙草を売っている巻六-24「煙草行商」があった。
煙草専売以前には一世を風靡していたという「天狗たばこ」を後の世代はよく知らないので、森銑三『明治東京逸聞史』から引いておく。明治36年条より
「岩谷松平の事業」という一文を、無署名で書いている人がいる。そして、「勿驚煙草税金二百万金」云々の大看板を掲げて、人を驚かした岩谷商会の主人岩谷松平に就いては、山師だという者が多いけれども、氏が多年国益を標榜して、外国煙草トラストの勧誘に応ぜず、一意日本煙草を改良して、十分の需要に応じ、以て外国煙草を圧倒しようと努力している一事は、尋常人のなし能わぬところだ。
「勿驚」は「おどろくなかれ」。この広告看板を銀座の岩谷商会の店舗に掲げている写真がJT博物館サイトにあったので、下に掲げる。
「丸に十の字」が標章(岩谷松平は薩摩国出身)、右に「世界煙草婦人販売店」、左に「勿驚煙草税金二百萬圓」と読める。店の前には大八車が並んでいる。

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