画像をクリックすると、拡大する。

第六巻 41
 【前へ : 目次 : 次へ

物産糖賣

どふじいな/\次に入ます 越後
米澤の薄荷入ならどふじやいな次に
入ます勢州 二見浦で取れまする青海苔入
ならとふしやいな又賣たありがたい蟻
が田甫で昼寝して鷹にけられ眼が覚
めたすっとこ鳶の羽根廣ろけ爺父さん
婆母さん孫連れて御彼岸参りの御み
やげに云々

甘きこといふも
商ひ上手にて
おくわしかつたと
笑わせて賣

◆-◆

「どふじいな」は「どうじゃいな」、「おくわしかつた」は、可笑しかった、お菓子買ったを掛けている。

「越後の米澤」は変だが、このままにしておく。「すっとこ鳶の羽根ひろげ」は難読だった。

各地の産物に砂糖をまぶして「物産糖」と言って売った。平出鏗二郎『東京風俗志』上巻に「物産菓子」があるが、それと同じであろう。
「これにあります品は、清国とんきん物産肉桂の味はどうじゃいな。お次にあげますは薩摩の国の物産で、黒胡麻入りならどうじゃいな。お次にあげますは、勢州は二見浦でとれまする青海苔入ならどうじゃいな。お次にあげますは、甲州蜜柑の味どうじゃいな。お次にあげますは、薄荷は羽州の米澤でとれまする」など高らかに呼びて賣る。(同書上 p48)
◆-◆
 【前へ : 目次 : 次へ
inserted by FC2 system