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第七巻 17
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辻うら賣

花のたより
戀の辻占

辻占や
花のたよりを
當て賣る

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「當て賣る」は「当てて売る」

寺田寅彦「物売りの声」(昭和10年1935)に、明治35年頃の思い出として「辻占つじうら売り」が出ている。「花のたより、恋の辻占」まで呼び声が一致している。
病気になった妻を国へ帰してひとりで本郷五丁目の下宿の二階に暮らしていたころ、ほとんど毎晩のように窓の下の路地を通る「花のたより、恋のつじーうら」という妙に澄みきった美しく物さびしい呼び声を聞いた。その声が寒い星空に突き抜けるような気がした。声の主は年の行かない女の子らしかった。(青空文庫の現代表記による)

第四巻-11「辻うら賣」があった。

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