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第五巻 15
「傘の古骨」というが、図のように実際は古傘全体を買い集めた。紙に桐油を引いた油紙が古くなっているので、はがす。骨組部分は手入れをし、新しい油紙を貼り直して新しい唐傘となった。はがした古油紙にはある程度撥水性が残っているので、魚・味噌・漬物などの包装紙として再利用された。 『宝暦現来集』が子供の関心を引く「手遊」と取り替えるという巧みな商売法を書き留めている。 傘の古骨買、天明年中(1781~89)より来る、近頃は古骨と子供の手遊と取替行なり。なる程是らは案じたる物なり。親忘れても、子供手遊びほしさにこゝろ付なり。(『宝暦現来集』巻2)とある。巻二-21「金太郎飴売」に、古鉄の古物商が「(飴と)とっかえべえ」と呼んでまわったことを記しておいたが、それと同じ商法だ。 なお、『宝暦現来集』のことは短冊売(巻一-32)に少し詳しく述べておいた。 |