画像をクリックすると、拡大する。

第五巻 15
 【前へ : 目次 : 次へ

傘の古骨を買ふ

毎日市中を廻り
傘の古骨を買
集る商売也

◆-◆

「傘の古骨」というが、図のように実際は古傘全体を買い集めた。紙に桐油を引いた油紙が古くなっているので、はがす。骨組部分は手入れをし、新しい油紙を貼り直して新しい唐傘となった。はがした古油紙にはある程度撥水性が残っているので、魚・味噌・漬物などの包装紙として再利用された。

『宝暦現来集』が子供の関心を引く「手遊」と取り替えるという巧みな商売法を書き留めている。
傘の古骨買、天明年中(1781~89)より来る、近頃は古骨と子供の手遊と取替行なり。なる程是らは案じたる物なり。親忘れても、子供手遊びほしさにこゝろ付なり。『宝暦現来集』巻2
とある。巻二-21「金太郎飴売」に、古鉄の古物商が「(飴と)とっかえべえ」と呼んでまわったことを記しておいたが、それと同じ商法だ。
なお、『宝暦現来集』のことは短冊売(巻一-32)に少し詳しく述べておいた。

◆-◆
 【前へ : 目次 : 次へ
inserted by FC2 system