画像をクリックすると、拡大する。

第六巻 13
 【前へ : 目次 : 次へ

太鼓賣

初午前より町中を
太鼓賣来る昔しは
肩に荷ひしも今は車
の便あれ 其様甚だ
相違せり

◆-◆

大きな四角い篭といくつもの太鼓をていねいに描いている。

太鼓は革製品のひとつであり、武家にとって必須・重要な備品であった。馬具や鎧などを造るには皮革は必須であり、それを扱う「穢多(長吏、かわた)」と武家との関係は特別なものであった。
幕府は直接、弾左衛門に皮革製品の納入を命じていた。弾左衛門はそれらを無料で献上するのであるが、その代償として特権を得たことはいうまでもない。
幕府が弾左衛門に命じたる革御用は、すなわち陣太鼓、お太鼓(櫓用および火消し屋敷用)を始めその他一切の革類にて、特に絆綱はづなの如きは、お城厩はもちろん武蔵府中の御厩おんまや,下総小金こがね御厩等にて所要の分までもことごとく弾左衛門の製造にかかわるものを用ひたりき。朝野新聞『江戸の下層社会』塩見鮮一郎解説、明石書店1993 p12
第三巻-31 にも「太鼓賣」があった。

◆-◆
 【前へ : 目次 : 次へ
inserted by FC2 system