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第六巻 65
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油賣

永き日を
斗り込鳧
油賣

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「斗り込鳧」は「計り込みけり」
「永き日や」と書いて、「や」を訂正して「を」とした。訂正したい文字の左に2点を打っている。晴風の訂正法は巻八-39にまとめてある。

車には「石油、水油、胡麻油」とある(「石」に点を打っている字は「石の俗字」)。「水油」は菜種油で、澄明で臭いの少ないのを言った。整髪用にも使われた。石油は灯火用として使われ、今も「灯油」という。
日々の灯火として用いられたのは灯心を使った「油火」が主で、中世末までは荏胡麻(エゴマ)の油で、近世になり菜種油に替わるようになっていった。ロウソクは明るいが高価なぜいたく品とされていた。

貧家は一晩毎に油を買ったらしく、夕方油屋は忙しかった。菊池貴一郎『絵本風俗往来』の「油賣」から。
ヘェ油、ヘェあぶらァ と呼ぶ聲の聞ゆるや否、裏家住居すまゐの独住、留守を預るやからは、油注あぶらさしを取出し、一合買ふあり、五勺もとむるありて、日暮の繁忙おびただしきは、市中所々の横丁新道の裏屋にて油を買ふこといづれも同じ。
第五-17油賣があった。

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