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第六巻 74
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姉ちゃん坊ちゃん
   おちよちよろちよひ

第一 あまころにして歯に
つかづお供衆の腹薬
お天保一枚にまけてあげ
ます/\

此菓子賣 初め大黒の
形ちに装し後にお天保
一枚といふて火箸にてふり
きのかな盥を叩き種々
なる奇言を弄し子供
の意に迎るを務む又後
此者に偽りたる者さへ
来る 至る

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初めの語句は「おちょちょろちょい」というかけ声。「あまころ」は「歯につかづ(ず)」と言っているので、売っているのは飴だろう。不明字は「啗」や「餡」か。

「お供衆」は「お子供衆」の脱字だろう。天保銭1枚は八厘とされたので(明治四年の太政官布告)、1銭より安いよ、ということ。「ふりきのかな盥」は「ブリキの金盥」

真田飴(巻六-84)でも「御子供衆の腹薬」と言っている。子供の腹の虫が鳴くのを治める、という意味か。

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