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第二巻 05
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千手観音
千手観音の像を負ふて
手に鉦を鳴らし賽銭を
得るといふ一種の貰ひ人なり
今に子等の言に背合せに
背負ふことを千手
観音のいふ
是六十六部の
類ひなるへし
◆-◆
「千手観音のいふ」は「千手観音といふ」の誤記。
“背中合わせに背負う”ことが特別なことであることを、わたしは子供時代の感触とともに思い出した。小僧さんが描かれているのは、連想を誘う。
右図は『吾妻
余波
(
なごり
)
』(岡本昆石 明治18年1885)に112種もの「子供の遊び」が図入りで挙がっているが、そのひとつ「千手観音」。
同じ『吾妻余波』の帽子のところに、左図があった。
千手観音を背負って歩く者、またこれに付き添って「鉦を叩き来る者、皆此笠を冠る。黒き所に浅黄の
切
(
きれ
)
なり」とあった。この笠の由来は不明。
第一巻に39「
回国六部
」と58「
廻国六十六部
」が出ていた。
◆-◆
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