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第二巻 05
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千手観音

千手観音の像を負ふて
手に鉦を鳴らし賽銭を
得るといふ一種の貰ひ人なり
今に子等の言に背合せに
背負ふことを千手
観音のいふ
  是六十六部の
  類ひなるへし

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「千手観音のいふ」は「千手観音といふ」の誤記。

“背中合わせに背負う”ことが特別なことであることを、わたしは子供時代の感触とともに思い出した。小僧さんが描かれているのは、連想を誘う。

右図は『吾妻余波なごり』(岡本昆石 明治18年1885)に112種もの「子供の遊び」が図入りで挙がっているが、そのひとつ「千手観音」。

同じ『吾妻余波』の帽子のところに、左図があった。
千手観音を背負って歩く者、またこれに付き添って「鉦を叩き来る者、皆此笠を冠る。黒き所に浅黄のきれなり」とあった。この笠の由来は不明。

第一巻に39「回国六部」と58「廻国六十六部」が出ていた。

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